ドラッカーは言います。
 
「全会一致の意思決定はしてはならない。

それは、企業にとって見えてないリスクを見落としている可能性がある。

意思決定においては、必ず反対の観点の意見を取り入れ、リスクを浮き彫りにしなくてはならない。」

(ドラッカー:経営者の条件)

和を持って貴しと為す、日本人の意思決定においては、根回し、そして全会一致でシャンシャンを決定ということが少なくありません。

しかし、経営の現場においてはあらゆるリスクを検討し、正しいリスクを負う必要があります。

松下幸之助氏も、12人中8人くらいが反対している意見でなければ、効果的でないと言っています。

またユダヤの戒律には、裁判官の全員が死刑の判決を支持した時には、被告を死刑にしてはならないというものがあります。

集団のエネルギーに囚われて、集団が見えるものを見失っていることを警戒する戒律です。

会議の現場で、全会一致の意思決定の時には、ドラッカーも必ず敢えて異なる意見を述べ、集団に違うリスクを検討してもらっていたと言います。

全会一致の意思決定を社長として警戒するように心がける必要があるのです。

ドラッカー・経営セミナーでは、成果を上げるために、意思決定の効果的なルールについて解説しています。