今回は、イノベーションを成功に導く、ドラッカーのポイントについてお話しします。

最後は、動画でも、解説もしていますので、併せて参考にしてください。

■ドラッカーのイノベーションは2つのステップから考える

イノベーションを行うときには、「最適化」と「イノベーション」という二つのステップに分けて考えます。

この2つのステップは、イノベーションを成功するために必須になるとドラッカーは言います。

■第1のステップ 最適化 で現在の収益を最大化する

ドラッカーは、イノベーションはまず現在の最適化からスタートせよと言います。

イノベーションはまず、既存のプロセスやサービスを徹底的に見直し、最適化することから始めるべきです。

経営の現在のボトルネックを特定し、現在のビジネスプロセスの中の収益を最大化する作業から行います。
このことを最適化といいます。

このことにより、無駄なコストも省き、経営効率を向上させることができます。

最適化は、新しい変革に取り組むための基盤ともなります。

■第2のステップ イノベーションで新たな価値を創造する

最適化を行った後に、イノベーションに移ります。

これには、新しい商品やサービスの開発、市場へのアプローチ方法の変革が含まれます。

イノベーションでは、組織をあげて新たな成長機会も探求していきます。

ここで重要になるのが、イノベーションの機会を見出だす方法です。

ドラッカーはイノベーションを見つけるポイントを、イノベーションの7つの機会という言葉で定義しています。

イノベーションの7つの機会とは

【1】予期せぬ成功・失敗
【2】ギャップ
【3】プロセスニーズ
【4】市場と業界構造の変化
【5】人口構造の変化
【6】考え方・価値観・認識の変化
【7】新しい技術

のことを言います。

イノベーションの7つの機会については、次の動画の解説をご覧ください。

【ドラッカーのイノベーションの7つの機会とは】

■ドラッカーの教え: イノベーションではまず、廃棄せよ!

ドラッカーは、「イノベーションを行う前に、古い枠組みや過去の成功体験を捨て去ること」と教えています。

イノベーションでは、廃棄➡集中➡イノベーションをいうステップをとることでより効果的に推進することができます。

これにより、組織の資源をイノベーションにより集中させ、顧客にとって価値のある変化を生み出すことができます。

■イノベーションと組織のコミュニケーションの在り方

イノベーションは組織内に反発を生む、その反発への対処方法

イノベーションを進める際には、組織内の様々な反応に直面します。

ここで重要なのが全員は巻き込むことはできないと思うことです。

イノベーションには、反発がつきものであり、反対されることこそ、あなたが革新的であることなのです。

松下幸之助も、役員の7割が反対しているくらいの革新プランでなければ、イノベーションは起きないといっています。

■2:6:2の法則で、イノベーションに乗り気な、上位層の2から巻き込み、感化していく

ここで大切になるのが、「2:6:2の法則」です。

組織内の人々は、積極的な支持者、中立的な人々、そして抵抗する人々の三つのグループに分かれます。

成功の鍵は、上位の2の層、つまり、最初に積極的な支持者から支持を得ることです。

彼らのエネルギーと情熱が、他のグループにも影響を与え、プロジェクトの成功につながります。

上位の2の層を感化し、火をつけたら、次はその上位の層の右腕、左腕に、彼らに火をつけさせます。

このようにイノベーションに積極的な層から巻き込んでいくことが、イノベーションを成功させる鍵になります。

■イノベーション無しに、組織は生き残ることはできない。【ドラッカー著・イノベーションと企業家精神より】

ドラッカーは言います。

「顧客・市場は変化する、故に、イノベーション無しに組織が生き残っていくことはできない。」と

企業は常にマーケティングとイノベーションの両輪を回しながら、新たな顧客・市場を創造していかねばなりません。

イノベーションは、単に新しいアイデアを試す以上のことです。

そのためには、組織全体が体系的にイノベーションのステップを取り入れ起こしていく必要があるのです。

ドラッカーのイノベーション理論を取り入れ、最適化とイノベーションのサイクルを活用することで、ビジネスは持続的な成長を遂げることができるようになります。

村瀬の著書、「ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則」の第2の原則「イノベーションの原則」では、今解説したようなイノベーションの体系的な起こし方を解説しています。

こちらも併せてお読みになってみて下さい。

イノベーションは簡単ではありませんが、ドラッカーの原理原則を応用することで、体系的にイノベーションを組織を起こす可能です。

今後のブログで、ドラッカーを実践的に用いて、組織がイノベーションを起こすための、アイデアについて、さらに深く触れていきたいと思います。

共に学び、成長していきましょう。

【今回の動画はこちら、ドラッカーのイノベーションの起こし方】

感動からドラッカーの本質が学べる!実践できるセミナーはこちら