← 管理職研修で学ぶべき・7つの組織マネジメントスキルとは?
強い組織づくりのためには、優秀な社員が欠かせません。
「新たに挑戦できる積極的な社員がいない」
「自律的なリーダーシップをとれる社員を育てるにはどうすればいいのだろう」
優秀な人材が揃う組織と揃わない組織では何が違うのでしょうか。
ドラッカーは「組織に優劣があるのではない。学んでいるか学んでいないかの違いである」といいます。
マネジメントを学んでいるかいないか。
経営というものを学んでいるかいないか。
あるいは、業界の専門知識、ビジネスの根本にある知恵を学んでいるかいないか。
では、どうすれば、社員一人ひとりが学べる組織を作れるのでしょうか。
今回は、社員がぐんぐん育つ強い組織づくり・人材教育のポイントについて紹介していきます。
この記事でまとめたこと
■人材育成では「学ぶ組織・教える組織」をつくる
ドラッカーは、組織の違いは「学んでいるかいないか」であるといいました。
それはつまり、社員を育てるためには組織間で学びあい、教えあえる組織を作ることが大切なポイントだということです。
・採用ではなく文化・風土が強い組織をつくる
組織が卓越するのは優秀な人を採用するからではありません。
社員が自らが学ばなければいけないと思わせる文化や風土によって、社員の自己啓発を動機付け、社員が自ら学ぶ環境をつくることで組織は卓越していくのです。
経営者や管理職は、社員の自己啓発を動機付けるための風土や文化を整えましょう。
そして、社員が自ら学ぼうとする環境を作り上げていくことが人材育成の観点で重要なポイントです。
■成功事例共有会議を開く
それでは、社員が自ら学ぶ文化や風土をつくるためには、具体的にどうすればよいのでしょうか。
実践例の一つとして「成功事例共有会議」について紹介します。
具体的には、社内でトップの成果を出している人の成功事例を社内で共有する会議の場を設けましょう。
ドラッカーは、組織の強みの元とは、知恵や知識であると考えています。
また、卓越した営業成績を残した営業マンは、他の人にもそのノウハウを教えるべきであるともいっています。
トップの成績を残す人や、成果を出している人は、蓄積された知恵やノウハウなど、その人独自の強みを持っているでしょう。
この知恵やノウハウを組織の中で共有して、1人ができるものを社員みんなができるようにすることがとても大切です。
ポイントは以下の2点です。
・成功者の持つ暗黙知を形式知に変える
「暗黙知」とは、暗黙の了解とも言い換えられますが、みなさんが心の中で知っている知識や概念のことをいいます。
それに対し「形式知」とは、客観的に捉えることができる表現可能な知識のことです。
トップセールスの人は皆、自分の成功体験から得た「なんとなく心の中で知っている知恵やノウハウ(暗黙知)」を持っています。
社員同士が学べる環境を作るためには、優秀な社員一人ひとりが自身の中に持っている暗黙知を引き出して、組織の中で形式知として使えるようにするトレーニングが欠かせません。
・方法1:成功事例をメソッド化(方法論化)する
ドラッカーは以下のようにも話しています。
「教える人が一番育つ」
そのためには、優秀な社員を講師とする「勉強会」を開きましょう。
例えば、「〇〇さんのトップセールスメソッド」「〇〇さんの初対面の人に絶対に会ってもらえるメソッド」などとし、ステップ1、ステップ2というように、ステップに分けてメソッド化します。
その人が持っているノウハウをメソッド化することで社員みんなが実践できる形式知として共有することができるのです。
この考え方は、一橋大学の名誉教授であるトップ経営学者の野中郁次郎氏が提唱する「知識創造理論」でもいわれており、組織を卓越させる大切な方法です。
・方法2:マネジメントや経営の知識はプロのコンサルタントに聞く
業務の専門知識やノウハウについては、成功事例共有会議で十分ですが、マネジメントや経営の知識については、プロのコンサルタントに聞くのが最も効率がよい方法です。
「優れた経営とは優れた経営思考を共有することである」という言葉があります。
ドラッカーの経営原則など、優れた経営知識やノウハウを社員全員に学ばせるには、実例知識も豊富な経営マネジメントに特化したプロに任せるのが最も速く、効果も高いのです。
■まとめ
今回は、ドラッカーの組織論から学ぶ、社員がぐんぐん育つ強い組織づくり・人材育成のポイントについて解説しました。
重要なことは「組織に優劣はなく、学んでいるかいないかの違い」であるということです。
そのために経営者や管理職は、社員が自ら学び、教えあえる文化や風土を作りましょう。
そして、会社に一人ひとり眠っている成功経験やノウハウをみんなが実践できるメソッド化し、「学んでいる社員」を組織全体で育てていくのです。
ぜひ経営者や管理職に就かれている方は、社員教育や研修の参考にしてください。
記事内で紹介したドラッカー流、人材育成の方法、管理職の本質や勘違いについては、以下の動画でも解説しています。
■(動画)社員さんがぐんぐん育つドラッカーのドラッカーの人材育成法を解説
いかがでしたでしょうか。 今回は、社員を育てる人材育成のポイントを解説いたしました。 具体的には、ドラッカー専門のコンサルタント・村瀬弘介の主催するドラッカー管理職研修は次のような形式で開催しています。
■ドラッカーの管理職研修の開催方法
・対象 経営幹部 管理職 主任レベルまで(階層別に行います)
・人数 15名程度
・カリキュラム 著者書籍「ドラッカーが教えてくれる 火を活かし経営7つの原則」に即して行います。
・時間 1回4時間30分~半日
・期間 月一度開催で12回の年間研修プラン
・費用面 1回あたり30万円から50万円
・形式 対面・オンライン
ドラッカーの伝道師と呼ばわれるドラッカー専門のコンサルタント村瀬弘介の研修情報については、以下のリンクをご参考にしてください。
■ドラッカーの管理職研修・セミナー情報
【対象者:経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー】
ドラッカーの原理原則を組織に導入し、強力な組織の共通思考モデルを創りあげる日本で唯一のドラッカー研修です。
社長の判断軸、経営トップマネジメントチームの育成、マネージャーのリーダーシップ向上など社長へのコンサルティングと研修を組み合わせ、卓越した業界首位企業を実現します。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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ブログ執筆者 ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
2002年、大学卒業後、株式会社KUBOTAの人事教育部で全社の人材育成を担当。2011年、経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会(コンサルタント)に転職。
2013年、小宮一慶氏の経営する株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍。本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で、【ドラッカーの人を活かす経営】との運命的な出会いを果たす。
人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年独立。「高い理想と自己犠牲の精神で、人の魂の成長に貢献する」「リーダーの人格の向上に奉仕する」をコンセプトに、使命感を持って日々の業務にあたっている。
講師としても依頼が絶えず、全国の商工会議所、経営者団体など各種経済団体でのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「ドラッカーが降りてきた」「マネジメントの真髄を見た」と熱狂的に支持する経営者が後を絶たない。
著書:『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則(産業能率大学出版部・Amazon【企業経営部門】第2位)』