今回は確実にPDCAの実行力が回り、目標達成する組織の作り方です。

まず、ドラッカーの言葉から

「計画だけでは、夢にすぎない。 仕事に落とし込まなければならない(ドラッカー)」

■ビジョンだけでは、仕事はなされない。

【ビジョン+目標達成PDCAの原則】

組織は、社長のビジョンから成り立ちます。

高い成果をあげるために、まず重要になるものは、社長の明確で、強いビジョンです。

しかし、ビジョンはあれども、それを確実に達成することができなければ、仕事を成し遂げ、高い成果を上げることはできません。

【ビジョン+目標達成のPDCAの確立した組織】が、実行力のある強い組織なのです。

しかしこのPDCA、うまく回らず、計画のみで終わってしまう組織がほとんどです。

どうしたらPDCAが実行されるのか、実行力のある組織になることができるのでしょう。

今日はPDCAを確実に回すための3つのポイントをお話します。

【PDCAを確実に回すための3つのポイント】

■1 計画立案の段階で、実行に関わる人の多くを参加させる

【プロセス参画方式】

まず計画がなされるためには、メンバーに、これは自分の計画だから、やり遂げたい!

と思って貰う必要があります。

そのためには、立案時に、メンバーが計画に参加している必要があります。

計画を実施する時には、その実行に関わる関係者を立案時に多く参加させた場合ほど、実行性が高まるという、研究結果が行動科学にはあります。

この方法をプロセス参加方式、(計画立案から参加させる方式)といいます。

実行するものが、立案時から参加して、意見を出すからこそ、自分で作った計画だ!という愛着が生まれ、自分事として達成に向けての参加意欲が高まるのです。

■2 計画を実行する最初の3か月でモメンタム(勢い)をつくる。

【モメンタムの原則:高速PDCAの仕組み】

計画が立案されたら、実行に向けてのモメンタムをつくることが重要です。

多くの企業様が計画を立案して、1か月、2か月後にPDCAの進捗を確認されますが、実は、これでは遅すぎます。

計画が軌道にのるまでは、その実行に向けての細かい調整が必要になります。

取り組みの効果性、改善を確認するためには、すくなくとも2週間ごと、よりいいのは1週間、3日単位で、【高速PDCA】を回すことです。

一ヶ月に一度のPDCA会議は60分必要でも、毎週、3日に一度でしたら15分の確認ですむのです。

私のクライアント様の中でも、PDCAを最速に回す会社は1日で、また3日がとてもやりやすようです。

【成長の早いベンチャー企業こそ、PDCAを高速回転しています。】

PDCAでは、なるべく、小刻みに確認し、微調整を繰り返していく意識が重要なのです。

計画実行時には、ロケットスタートを切り、なるべく早く小さな成功を作りだすようにします。

勢いがついて最初の3か月で小さな成功が生まれた計画は、部門に自信を与えます。

この計画を成し遂げれば、必ず大きな成果が生まれるという期待が生まれ、その後、慣性の法則のように目標達成がスムーズに回っていきます。

計画は、できだけ速く、ロケットスタートを切り小さな成功を作りだせるかが、その後の計画成功を決めるのです。

■3 成果発表会で、チームを表彰し、成果の出るやり方をマニュアルとして共有する。

【知恵の共有化・成功事例マニュアル化の法則】

計画は、半年・1年後に成果発表会、そして達成したチームへのご褒美を設定して、楽しみにながらやります。

【成果を上げた方法をマニュアル化し、成功者に教えさせることで社内の共通の知恵とする】

一年に一度計画の成果を発表する会を開き、成果を上げたチームの成功事例を共有、マニュアル化して、他のチームも成果が上げられるようにします。

そのことで、社内にありながら、表に出ていない知恵が共有化、マニュアル化されて全社員が使えるようになるのです。

実践で生まれた知恵こそ、組織で共有すべき財産です。

【お祝いの法則】

また、一番成果を上げたチームには、焼肉での乾杯券などで、小さなお祝いをするのです。

人間の脳は、なにかに取り組んでうまくいった時に、そのことで快感を得られるとさらにその成果を追求するという仕組みをもっています。

アメをぶら下げるという言い方は人間には不適切ですが、頑張ったチームに小さなお祝いを与えて、存分に祝福することは、その達成にむけて、さらに頑張ろうというチームの高いモチベーションにつながります。

またチームごとで賞品を競いあうことで、ゲーム性、健全な競争意識が生まれ、計画達成が加速します。

目標を設定するときには、このゴールであるご褒美を設定することはとても大切です。

お祭りのように、ゴールに向けて皆が神輿を担ぎ合う風土ができれば、目標達成もとても楽しくなるのです。

今回の内容をまとめましょう

【PDCAが確実に回る組織をつくる3つのポイント】

【1】プロセス参画方式で、計画立案時からメンバーに参加させる

【2】PDCAの間隔は短く刻み、最初の3か月で勢いと成功体験を生む

【3】成功事例発表会を開き、成功事例をマニュアル化、うまくいったチームを祝福する

この3点を踏まえてPDCAと計画の実行の仕組みをつくるだけでも、驚くほど達成度は上がります。

是非取り入れてみてくださいね。

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ご参考にしていただけましたら幸いです。

本日もお読み頂き、ありがとうございます。

村瀬弘介拝