こんにちは、ドラッカーコンサルタントの村瀬です。

今日は、成果を上げる、強い組織づくりのための人間関係のあるべき姿について扱います。

経営で一番大切なのは人、しかし・・・

ドラッカーは経営の中心は人の幸せにあるべきだと説きました。

「マネジメントは人(の尊厳)のことである。」という言葉にその神髄が表れています。

ある経営者さんから質問がありました。

村瀬さん、うちの組織は人間関係を大切にしすぎていて、一つ物事を決めるにもメンバーの反応に過度に気を使ってしまうんだ。

これでいいのだろうか?

内部の人の感情に過敏に気を使い、ご機嫌を伺い、経営の意思決定が伸びたり、新たな取り組みができない・・実は、これは間違った組織です。

これは人を大切にしながら成果を上げる組織ではありません。

人間関係に過度に気を使う組織は間違っている。

ドラッカーは組織の衰退の兆候の現れとして、人に過度に気を使いすぎ、根回し・調整役や補佐役といった役職が暗躍すること、と言います。

組織は、あくまで外部の社会に貢献するために存在します。

もちろん人を大切にしますが、組織は家族ではないのです。

外部の社会に経済的成果を上げてこそ、組織の存在意義があります。

気をつかうべきは、お客様であって、内部の人間関係ではない。

組織の貢献対象、気を使うべきなのはあくまでお客様であって、内部志向で、内部に気を使いすぎる組織は組織を弱体化させます。

お客様に向けて、皆が気を使い、集中し、内部はさっぱりとお互いに厳しい組織。

人間関係ではなく、顧客へ向けての仕事に集中している組織文化が組織の正しい姿なのです。

お客様より上司に気を使う組織は落ちぶれていく

その昔私の父親はNTTにいました。

NTT本体がドコモのサービスに追い抜かれて、弱体化してきました。

当時の壁紙には、こう貼ってあったそうです。

「上司に気をつかうよりも、お客様に気を使おう!」

この言葉が警告するような組織文化では、弱体化して当然ですよね。

お客様に十分に気を使い、もちろん組織の中は、相互に敬意を払いながらも、厳しく切磋琢磨するのが成長する組織です。

過度な人間関係の重視は、経営にとって悪である。

あなたの組織では、過度に社員の人間関係に気を使い経営に悪影響がでていることはありませんか。

お客様への不備や、サービスのいき届かない部分をさっぱりと相互批判できる健全な文化がありますか?

フラットな人間関係の職場が陥る罠

特に女性が多い職場では、男性的な縦社会ではなく、フラットな組織になるため、相互に気を使いすぎている職場が多いのを私のお客様の事例では生じています。

男性、女性の性差別ではなく、男性が肩書の建前重視なのに対し、女性はフラットに相互コミュニケーションを好む傾向がこのような現象を生んでいるようです。

(※)もちろん、すべての女性の多い職場がこのような傾向にあるわけではありません。

顧客に気を使い、内部は、からっと切磋琢磨する文化をつくる

そのような時には、経営者はあくまでも、顧客に厳しく気をつかい、相互はさらっと、切磋琢磨するチームであり、人間関係がじめじめしたウェットなチームを作ってはいけません。

人を大切にする組織とは、人間関係を過度に気にする組織ではないのです。

組織は家族でなく、あくまで、顧客に貢献するチームなのですから。

この点の違いを押さえ、さらに素晴らしい成長組織を作っていきましょう。

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ご参考にしていただけましたら幸いです。

本日もお読み頂き、ありがとうございます。

村瀬弘介拝