この記事でまとめたこと

■社員が辞めることに悩む社長は、あまりにも多い。

社員が辞めることに頭を悩ます社長の方は多いですよね。

労働人口が減りつつある現代日本では、優秀な人をいかに確保し、ずっと働き続けてもらうかは、経営の最大の課題です。

■社員が辞める理由は、企業のマネジメントができていないから

社員が辞める中小企業には、人を活かすマネジメントができていないという問題があります。

中小企業のマネジメントを強化し、社員が辞めない組織をつくるためには、ドラッカーの「人を活かす経営」を導入することが一番の近道です。

■ドラッカー思想を導入すれば、社員の離職を防ぐことができる。

ドラッカーのマネジメントの根本に、人を活かすということがあります。

ドラッカーは、経営において最も重要な資産は人であると説きました。

そして、組織の中でいかに、働く人にやりがいをもって生産的に働いてもらうかについて研究し、人を活かす経営をマネジメントという学問に体系化しました。

社員の持つ力を最大に引き出して、高い成果の上がる組織をつくることが、ドラッカーのマネジメントの究極の課題です。

■社員が辞めない組織をつくるヒントは、ドラッカーの名言に隠されている。

今回は、社員が辞めることに悩んでいる、リーダーが読むべき
働き人を活かす、ドラッカーの名言を12個まとめて紹介します。
人を活かし、ずっと働き続けてもらう会社に進化する参考にしてください。

【1】人の幸せを中心にマネジメントを行う。

経営における最大の資産は「人間」です。人を活かすこと、人が幸せになることこそ最も重要な経営の成功です。

たとえ、売上が上がったとしても、人が幸せにならい組織には意味がありません。

経営者はいかに、人を活かして、この会社で幸せになってもらうことができるかを考え企業のマネジメントに取り組むべきであるとドラッカーは教えてくれます。

社員が辞める・会社には、働く人を活かし、幸せにするという、経営の根本である精神が生かされていない会社が多いのです。

【2】使命・経営理念で人を惹きつける。

■これからの社会において、一番難しくなるのは、優秀な知識労働者を惹きつけ、ずっと雇用し続けることである。採用・雇用には、マーケティングと同じ考え方が必要になる。出典:「現代の経営」 P.F.ドラッカー

労働人口が減少し、終身雇用も崩れつつある現代において、組織はいかに、働く人に自社で、ずっと働き続けてもらうかということは、マネジメントの重要課題です。社員にずっととどまってもらうためには、社員を顧客として考え、忠誠度を高めてもらうマーケティングの意識が必要です。

社員からみて、あなたの会社が魅力的で、ずっと働き続けるに足るものか・・・

この会社で職業人として成長し、幸せな人生が送れるかといった観点を考えながら、組織をつくっていくことが欠かせません。

あなたの会社には、社員から見て、働き続けるに足る魅力がありますか?
社員が、その会社で長期的に働く理由を見いだせていない場合には、社員はいつか辞めることになります。

【3】ボランティアの精神で働いてもらう。

■ 知識労働者とは、処遇のみでなく、組織の使命感、大義に対して、働きがいを感じる人達である。そのため、知識労働者の雇用にはボランティアと同じ思考が重要である。出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー

知識労働者は、頭の中に知恵という資源を持つ人々です。それはどのような職場に移ろうとも、その人について回ります。魅力的なハードといての環境があるから価値を生むのではなく、使命感・大義といったソフトパワー
があるとき知識労働者は、やりがいをもって、高い成果をあげ働き続けることができます。

社員を処遇で釣れば、よりよい処遇の会社があれば、そちらに去っていってしまいます。

しかし組織の使命・大義に対して、惹きつけるならば、社員は、ボランティアのように、血と汗と涙をもって貢献してくれるのです。

ボランティアの魅力とは、会社を休んでも、その仕事が自分にとって意義があり、人生を充足するものであるという使命・大義があることです。大義・働くに足る意義のない会社では、社員は簡単に辞めることになります。

社員が辞める会社には、経営理念・仕事の使命・大義が確立していなかったり、また、理念があったとしても、表面的なもので、浸透していない会社が多いのです、社員を鼓舞し、生産的に働いてもらうためには、組織の使命を確立することが欠かせません。

使命を明確に打ち立て、浸透させることは、働きがいを高め、社員の離職を防ぐためにも、リーダーがすべき重要な仕事です。

【4】経営理念・価値観を重視した経営を行う。

■人は価値あることを成し遂げようとする生き物である。人は理念と価値観によって動かされ信じがたい成果をあげる。出典:「ドラッカー・理想企業を求めて」 P.F.ドラッカー

社長の示す経営理念・ビジョンこそ、組織に偉大な成果を成し遂げる重要な鍵です。

私は、人を活かす会社に進化する「社長のビジョン確立・経営理念策定」を村瀬式ドラッカー理論を用いてコンサルティングさせて頂いております。経営理念が一応ありながらも、お題目になってしまい、浸透していない会社は多いです。

しかし、経営理念は、組織に浸透してはじめて、社員が高い目標にチャレンジし、成果を上げてくれるものです。経営理念を浸透させることは、社員が辞めることを防ぎ、組織へのエンゲージメント(忠誠心)を高めることにつながります。

【5】人の強みをもとしたマネジメントを行う。

■人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである、弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー

人が成果を上げるのは、「強み」を用いて仕事をする時です。人を活かすことは、人の「強み」を活かすことです。社員の弱みばかり見て、苦手な部分を矯正しようとしても、モチベーションが下がるだけで高い成果は生まれません。

・適材適所という言葉の通り、強みが生かされ、成長につながる部門への配置がなされているか?

・経営者として社員の強みを活かしているか?

このことは何度も考えるべき、重要な問題です。

社員の「強み」に注目し、強みを活かす文化をつくることで、社員が辞めることを防ぎ、やりがいをもって長期的に働いてもらうことができます。

【6】メンバーの強みをつなぎ合わせ、弱みを中和する。

■組織の目的は、人の弱みを中和して 強みを爆発させることである。出典:理想企業を求めて P.F.ドラッカー

組織が高い成果をあげるためには、人の強みに着目して、強みのみが結びつき、弱みが中和されるチームを作ることが重要です。

ドラッカーは、「強みの上に強みを築け」と言いました。

人は、強みを活かされて始めて成果を上げることができます。弱みをいくら矯正し、金太郎飴のような平均的なレベルの能力の人達の組織をつくっても、平凡な組織が出来上がるだけです。

人がチームを組む目的は、それぞれの持つ弱みを補い合い、弱みをなきものとして得意分野から、卓越した存在として活躍してもらうためです。社員が辞める会社では強みを活かしあい、弱みを補うというシナジーを高める文化がありません。

強みを活かすため・・・弱みを中和ため・・というチームの意義を理解して初めて、人が活かされ、生き生きと働ける職場になるのです。

【7】部下の強みを積極的に把握する仕組みをつくる。

■マネジメントレターによって部下の強みを把握する。出典:「現代の経営」P.F.ドラッカー

リーダーの役目は、チームの目標を明確に打ち立て部下とベクトルを合わせ、一つの目標に向かって働いてもらい成果を上げることです。

ビジネス上のコミュニケーションとは、ただ仲良くすることではありません。上司部下のコミュニケーションの本質は、人に動いてもらうことであり、要求することです。

コミュニケーションの最大の課題は、上司と部下の見ている視点の違いにあります。

上司と部下の見ている方向性が違っては、チームに高い成果を上げることはできません。このような組織では、成果も上がらず、モチベーションも低くなり、社員が辞める原因になります。

そのため、ドラッカーはマネジメントレターという面談を用いて、上司部下のベクトルを合わせることを提唱します。具体的には、次のような内容を上司・部下で面談します。

【マネジメントレター】

【1】上司が部下に期待していることを伝える
【2】部下が上司に期待していることを聞く
【3】部下が力を発揮する上で、悩みや障害となっていることを行く

このマネジメントレターで、上司部下のベクトルが揃い、部下の力を開放することになるのです。ベクトル合わせ、社員のやりがいを高めることで、社員が辞めることを予防できます。

【8】上司をマネジメントする。

■上司の強みを知り、上司をマネジメントせよ。上司をマネジメントすることは、部下をマネジメントすることよりも容易である。出典:「プロフェッショナルの原点」P.F.ドラッカー

成果を上げるためには、上司をマネジメントすることが欠かせないとドラッカーは言います。

部下のマネジメントにも全く同じことが言えますが、相手の持つ強みを把握し、上司の成果の上がる形で部下として上司の仕事をサポートすることが仕成果を上げるために欠かせません。

上司部下に相互理解が欠け理解や仕事の方向性に行き違いがあるときにはチームに相乗効果が生まれず、モチベーションも低下し、成果もあがりません。部下が上司の強みを知り、上司をマネジメントすることは高い成果をあげ、やりがいの高い職場をつくる上で欠かせません。

私のドラッカー研修では、「1on1」や「コーチング」という概念を学ぶことで、上司・部下のベクトルを合わせ、チームの力を最大化していただきます。

上司部下のベクトルが合わないこと、つまり上司とのウマが合わないことが、社員が辞める大きな原因です。上司とのコミュニケーションの技術を上げ、チームのシナジーを高めることは離職率を下げる方法の一つになるのです。

【9】真摯さ、誠実さを重視する。

■リーダーは真摯でなくてはならない。人材登用においては能力よりも真摯さを重視する。真摯さに欠けるものをリーダーにすることは、組織の文化を破壊することにつながる。出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー

組織の根本精神、リーダーの精神には、真摯さがなくてはいけません。ドラッカーは能力があるが真摯がないものは、組織文化を破壊するものであるとして昇進させるべきでないと言います。

我々がやりがいを感じるのは、仕事とが社会にとって有益であり、胸を張ってできる、お客様にとってのお役立ちだからです。真摯でないものがはびこる会社には、仕事のモチベーションも高まりようがないのです。

真摯さに欠ける、能力のみの上司がはびこっていることは、社員が辞める会社の大きな特徴です。あくまでの人間的に真摯な者をリーダーに登用し、誠実に働ける組織文化を作らなければ社員が辞める原因になるのです。

【10】リーダーシップの本質を理解する。

■リーダーシップとは権力ではない、それは責任である。出典:「現代の経営」 P.F.ドラッカー

リーダーシップとは人を支配する権力ではありません。その逆で、人を活かして、組織に成果を上げる高貴な責任です。職位が上の人が人間的に偉いわけではありません。リーダーは、部下の強みを活かし、組織に高い成果を上げる責任を負っているにすぎません。人を活かし、高い成果を上げる、とても尊い責任です。

リーダーシップが権力ではなく、責任であると考える時に社長としてやるべきことが見えてきます。それは、社員さんの強みを伸ばすために、人材育成の仕組みをつくること。社員さんがやりがいをもって働ける、ハラスメントのない職場をつくること。社員さんが頑張った分だけ評価される、人事評価制度の仕組みを構築することなどです。

あなたの組織では、リーダーシップを責任だととらえ、社員を伸ばす仕組みが確立されているでしょうか?

社員が辞める会社では、リーダーは単に高圧的で尊大なだけで、本当のリーダーの意義を理解しておらず、果たしていないことが多いのです。

【11】部下の話を聞く。

■リーダーは話すな、聞け!出典:「プロフェッショナルの原点」 P.F.ドラッカー

リーダーにとって大切なことは、メンバーの信頼を勝ち取ることです。信頼があるからこそ、リーダーの影響力が高まり、メンバーを動かすことができます。

メンバーを動かすためには、マーケティングと同じ考え方が重要になります。マーケティングの考えは、顧客を理解すればするほど、顧客に対してリーダーシップ(主体的な地位・影響力)をとれるというものです。

メンバーについても同じです。社長という人間はしゃべりすぎる傾向にあります。リーダーばかりしゃべるのではなく、社員の意見を聞くことで社員を深く理解し、社員に対する影響力が高まり、動かすことができるようになるのです。

社員が辞める一つの理由に、自分は理解されていないという、信頼の問題があります。社員を理解することで、社員が辞めるのを防ぐことができるのです。

【12】自己目標管理制度を取り入れる。

■自己目標管理こそ、マネジメントの哲学である。人は自分の目標を把握してこそ、仕事に対するやりがいを高めることができる。自己目標管理こそ、社員のモチベーションを最大に高めるものである。出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー

人はもともと何かを成し遂げたがる生き物です。自分で目標を設定して、到達度合を確認できるからこそ、仕事を改善するためのアクションプランが取れます。自己目標管理制度とは、上司の部下管理の道具ではなく、自己で自己の目標を設定して、数値化し、改善し、自己実現していくための道具です。

品質改良の父デミングの言葉にあります。

・数値化すれば、コントロールすることができる。

・コントロールすれば、最適化することができる。

あなたの会社では、目標管理が、上司の部下管理の道具になってはいないでしょうか?社員を動機付け、自分で自分の目標を設定し、その達成にむけ、コントロールを最適化する補助としての道具になっているでしょうか?

目標管理が日本に入ってきたときには、MBO(Management by Objectives(目標による管理))という名前だけが入り、まるで上司が部下を管理する道具であるかのような誤った認識で多くの組織に導入されました。

しかしマネジメントの父ドラッカーの唱えた目標管理の本質はMBOーS(Management by Objectives and Self-Control)自己のための、目標管理こそ、個人の成長とモチベーションにつながるものなのです。

自分で自分の現状を数値化し、把握するからこそ今後の目標達成に向けてのアクションプランの修正ができ、かつ自分の目標だからこそ、やりがいも上がるのです。

適切な「自己」目標管理制度がない会社、上司がまるで機械のように部下を管理しているような目標管理制度になっている会社では、社員が辞める会社になってしまうのです。

目標管理制度の意味をきっちりと理解して、自己目標管理を機能させることが、社員が辞める会社を防ぐために重要なのです。

【まとめ】社員がやめることを防ぐためには、人を活かすマネジメントの仕組みを積極的取り入れる

いかがでしたか、ドラッカーマネジメントの名言を軸に、社員が辞める会社の社長にとっての問題解決を見いだすきっかけにしていただければ嬉しいです。社員が辞めることにお悩みの社長様は、ドラッカーの人を活かす経営を学んで、社員が幸せに成長して、長く働き続けたいと思うような会社を作ってください。

社員が成長し、働きがいも上がる人材育成制度の構築方法や社員が、挑戦できる自律的な経営リーダーに進化する人事評価制度については村瀬式・ドラッカーコンサルティングで組織で確立していただきます。

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