← 【70】顧客を先生とする文化を創る方法(お客様に教わったことノートをつける)
まず、ドラッカーのマーケティングについての解説動画を2本ご覧ください。
① 経営の最重要事項はマーケティングである①
②経営の最重要事項はマーケティングである②
今回は全社員を顧客志向のマーケターに進化させ、マーケティングカンパニーを創る方法について解説します。
全社員がマーケティングを理解し、実践できるようにする。
顧客を深く理解し、顧客への価値向上に邁進する社員をマーケターと言います。
そして全社員がマーケターとして顧客への価値向上に邁進する会社を、マーケティングカンパニーと言います。
全社員をマーケター化し、マーケティングに強い組織を実現するには、全社員がマーケティングという考え方を理解することです。
明確に理解して、はじめて実践することができます。
マーケティングは決して難しい考え方ではなく、学ぶことは、1日でもできます。
しかし実践し続けることはとても忍耐が入ります。
一生かかると言っても過言ではありません。
マーケティングの4つの定義を理解する
マーケティングは次の4つに定義できます。
【マーケティングの4つの定義】
①顧客の困りごと・欲求を知る(顧客を理解する)
②競合他社を知る
③変化の中に機会を探す(市場・顧客に起きている変化を知覚し、機会とする)
④脅威を機会に転ずる
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①顧客の困りごと・欲求を知る(顧客を理解する)
顧客を深く理解することが一番のスタートです。
そのためには、市場で顧客に直接聴き、質問しなければなりません。
企業の中で、顧客について想像することは妄想です。
顧客のことは顧客にしか分からないと考え、毎日のビジネスの中で謙虚に顧客に質問することが大切です。
②競合他社を知る
ビジネスは相対競争です。
顧客が商品を購入する場合、必ず競合他社と比較検討します。
顧客に選ばれようと思ったら、競合他社よりも優れた商品を提供する必要があります。
競合の商品・サービスを研究し、競合より良いものを提供して、はじめて競合に勝つことができます。
競合情報は、WEB上や顧客に聞いて分かる程度でよいのです。
完璧な情報が入ってくるわけではありませんが、その範囲で研究する必要があります。
③変化の中に機会を探す(市場・顧客に起きている変化を知覚し、機会とする)
事業機会は変化の中に見つかります。
そのためには、積極的に変化を捉え、知覚する必要があります。
近年、河日湖畔で、富士山を見ながら蟹を食べよう!というツアーが大ヒットしました。
インバウンドの顧客が増加し、日本のイメージを満喫したいと思った顧客が現れたからこそできたツアーです。
日本人の常識では、富士山近郊で蟹は獲れないし、蟹を食べるには北陸や北海道などに行くのが常識です。
しかし、外国人にとっては、別に蟹の産地でなくても、富士山・蟹と日本を満喫できれば一挙両得です。
業界の常識破りの、富士山を見ながら蟹を食べるというァイデアがヒットにつながったのです。
これは日本にインバウンド市場の拡大という「変化」が生じたからこそ、そのことを「機会」と転じた事例です。
ビジネスの常識として、新聞・ニュースを見る。
というのも、本当の理由は、マーケティングの「機会」として活かせる「変化」を見つけ出すためにあるのです。
④脅威を機会に転ずる
変化のみでなく、環境の脅威さえも機会に転じてしまうのがマーケティングです。
日本の出生人口はますます落ち、現在では100万人を割っています。
子供をターゲットとする業界にとっては、顧客が減少し続ける危機的状況です。
しかし、ランドセルメーカーはそれを逆手にとり、高級ランドセルを売り出しました。
通常のランドセルの倍以上する高額のランドセルが瞬く間に売り切れ、来年は予約待ちの状況になっています。
子供は減るが、その分、親が少ない子供により多くのお金をかけ、手厚く子育てをするという状況を機会に転じて、高級ランドセルという新市場を創造しています。
全社員が
①顧客を理解し
②競合を分析し
③変化を機会に
④脅威さえも機会に転じて、ハングリーに機会を追求する会社がマーケティングカンパニーです。
これから躍進していける会社は、外部の変化・脅威を機会に転ずるマーケティングカンパニーなのです。
全社員をマーケター化し、機会追求型のマーケティングカンパニーに進化するのです。
今回のポイント
・自社を、顧客志向を徹底する「マーケティングカンパニー」に進化させる。
・マーケティングカンパニーでは全社員がマーケティングを理解し、実践に努めている。
・マーケティングカンパニーは機会志向で、変化・脅威さえも機会とするハングリーな、挑戦する組織である。
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