【特別公開:今売れています・ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則】

出版記念講演会の音声を特別公開します。


 

【序章】ドラッカーを読んだら涙が止まらない。狂ったのか? 私

ドラッカーを通じて経営における「人間の尊厳」の重要性を全国に訴えたい。ドラッカーは、あなたのビジネスの本質にエンジンを入れ、リーダーとしての使命に目覚めさせてくれる。つまり「立命」させてくれるのだ。

ドラッカーの理論は、経営知識のみならず、人間学のことを教えてくれる。

私の人生はドラッカーを通じ変わった。一介のビジネスマンにすぎなかった人間がコンサルタントとして講演をし、多くの人に熱狂的な拍手をいただき、「感動しました」という多数のアンケートや色紙までいただき、講演中に「魂から感動した」と涙されることが幾度もあった。

私はドラッカーのおかげで立命し、軸のある経営リーダーとして、今、この瞬間を生きている。これは奇跡だと思っている。だから語らなくてはならないのだ。これは単なるビジネスではなく、天命であり、使命である。

私は確信している。多くのドラッカー研究者・コンサルタントがいるが、私は分かってしまったのだ、ドラッカーの本当に言いたいこと、ドラッカーの本質が……。

論理でなく感動で、商売のみでなく人生で、経営の技術(枝葉)のみではなく原則(本質)から、ドラッカーの経営を起動させる時が来たのだ。

とにかくドラッカーについて語らなければならない。すべてのリーダーにドラッカーを伝えなければならないと、強く感じている。

ドラッカー・20世紀最大の知恵者・マネジメントの父と呼ばれた男

ドラッカーの本質は、経営の中心に、なによりもまず、人間の尊厳(人・個の幸せ)を据えるということだ。人間が幸せになることを至上の目的とすることである。

ドラッカーを理解するために、まずドラッカー自身の身になって考えてもらいたい。

それが私のやりかただ。

ドラッカーは1900代年初頭に生まれ、裕福なオーストリア官僚の家で育った。彼の父は貿易省のエリート高官で定期的に知的なサロンを開き、フロイトやシュンペーターとも交流があったという。幼いドラッカー少年は知的刺激の中で存分に才能を発芽させたのだろう。

しかし、ドラッカーの幸せは長くは続かない。第一次世界大戦では祖国オーストリア・ハンガリー帝国は解体され、自己のルーツを失い、その後渡ったヨーロッパではナチスによるホロコーストを目の当たりにする。

ここで大切なことが1つある、ドラッカーはユダヤ系だったということだ。

考えてもらいたい。ユダヤ系のドラッカーにとってこのホロコーストの衝撃はいかなるものだっただろうか?

例えば、民族の痛みとして、日本の広島、長崎の原爆と同じようなものではなかっただろうか?

日本への原爆投下では約30万人が犠牲になったといわれるが、その10倍の300万人もの犠牲をだしたホロコーストはドラッカーに大きなトラウマを残したと、私は考えるのである。

ドラッカーはいつも考えていた。どうすれば人間は幸せに生きられるのだろう? 何をすれば世界が、社会が平和に向けて拓(ひら)かれるのだろうか?

その答えを探したドラッカーは、人間を脅かす戦争、そして戦争を起こす専制君主制と戦うことを決意する。武力でなく、マネジメントという思想で……。

戦争の原因は何か、それは現代の社会を見れば明らかだ。

なぜヨーロッパでは戦争が起きず、中東やアフリカで戦争がおきているのか?

なぜ中国、日本、韓国も関係が良いとはいえないにもかかわらず、戦争にはならないのか?

戦争の直接の原因は何か? ドラッカーは徹底的に考えたと思うのだ。

それは経済の失敗だ! 経済がうまくいけば、戦争は起きない。ホロコーストも起きない。自分の仲間がもう300万人も死ぬことはないのだ。

では経済がうまくいくにはどうすればいいか? 経済の最小構成単位の企業がうまくいけばいいのだ。人が組織を活性化させ、働く人々が活きる世界になれば、もうホロコーストは起きない。

もう仲間は死なない。そう思ったことだろう。

ドラッカーは経営に高い成果を上げるマネジメント思想を打ち立てることを決意し、執筆した。

彼のマネジメント思想のエッセンスをたった1つ取り上げるとすれば、それは「組織は働く人(個)を活かしなさい」ということだ。

ドラッカーもその著書の中で「マネジメントとは人にかかわること」とはっきりと指摘している。

(参考:P・F・ドラッカー『経営の哲学』編訳:上田惇生 ダイヤモンド社)

これは、私の魂にはこう響く。「マネジメント(経営)とは人の尊厳(生きる意義・本当の幸せ)を実現することである」と。ホロコーストを見た、ユダヤ系のドラッカーが一番大切にしたものは、人の尊厳(人間の尊い命・生きる意義)であったはずだ。

ドラッカーは単なるコンサルタントではない、人を心から活かそうとした真のリーダーなのだ。経済・経営の中で、「人間の尊厳」をいかに実現していくかを考え抜いた勇者なのだ。だからこそ、彼は20世紀最大の賢人なのだ。

その証拠にドラッカーは以下のように訴えている。

「経営は、人間の尊厳を実現するための道具にすぎない、組織の目的は、人間を単なる経済の歯車にすることではなく、
人間のエネルギーを開放し、自己実現をさせることだ。経営のすべてを人間の尊厳(幸せ)を中心に考えよ!」

(参考:『P・F・ドラッカー︱理想企業を求めて』エリザベス・H・イーダスハイム ダイヤモンド社)

私はこれを読んだ時、ドラッカーの真意を悟ったのだ。

「人を幸せにせよ! それこそがビジネスの真実である」と、彼の魂の声が聞こえてきて、熱い涙が自分の頬を伝うのを感じた。

人間が幸せになる経営、そして人が活かされる組織社会、高い業績を上げる真摯な企(起)業家によって守られる自由で平和な民主主義社会、それこそがドラッカーのマネジメントの真髄である。

もしドラッカーがピアノを弾けたら、ジョンレノンのようにイマジンを作曲していたと私は考える。マネジメントはドラッカーにとってのイマジンなのだ!

これを伝えなければいけない。ドラッカーの魂を現代社会に伝えなければ。ドラッカーの息吹を、言霊を世界に伝えなければならない。

世界が孤立化に向かいつつあるこの時代に、このマネジメント思想で世界に調和をもたらさなくては、また大きな戦争が起こる。現代こそドラッカーに学ばなくてはならない。

ドラッカーの魂を伝えなくてはならない。そう悟ったのだ。

それが私のドラッカーとの出会いであり、ドラッカーにインスピレーションを受けた「人を活かす経営・7つの原則」によるコンサルティングのスタートだった。

私は、マネジメント専門(マーケティング・イノベーション・リーダーシップ)のコンサルタントであり、また音楽家である。

また、日本精神(神道・仏教・儒教)・スピリットの感性世界を愛する人間である。人間は、論理だけでは幸せにはなれない。

目に見える世界に、心で感じる世界(アート・感性・精神的な世界)を統合し、魂から目覚めて本当に幸せになれると私は考える。

本書ではドラッカーに学び、私の独自の経験(アート・感性世界の着想)から生まれた、「人を活かす経営・7つの原則」を通じて、経営リーダーのみなさんに、自己と企業の使命に目覚めてもらうこと、「立命」を目的としている。

人が幸せになる、すなわち人間中心の経営とは、組織が働く人の「尊厳」を守り、仕事を通じてメンバーの魂を目覚めさせ、成長に導き、社会の中で最高の自己実現をさせることだ。

結果として組織は高い成果を上げ、幸せで自由な民主主義社会を実現する。

本書は、マネジメントの真の意味を理解することから始め、マーケティング・イノベーションを理解し、現代の自由社会の真のリーダーとしての経営者のリーダーシップを確立(立命)してもらうことを目指す。

自分の会社のマネジメントスイッチを入れて起動する。その瞬間、昨日までの組織と全く違った組織、未来が目の前に出現する。それがマネジメントである!

リーダーの魂に火をつけ、組織に火を入れる。それがマネジメントなのである。

では経営とは何か? それは人間が幸せになるすべてである。人の尊厳を実現するものである。経営で成果を上げるとは何か? それは人間が幸せになることである。

ドラッカーの究極の目的は世界平和である。

人が活かされ、企業が高い成果を上げることで、戦争を防ぎ、自由で平和な民主主義社会を守ることができる。

本書の7つの原則を活かすことで、平和な世界を守る真のリーダーになって頂くことを心から願ってやまない。

※本書の7つの原則は、すべて私が長年にわたるコンサルティングの現場で実践し、成果を実証してきたものであり、研究室・机上の空論・学術論ではなく、経営実践論(実学)です。

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