ドラッカーの理論で経営・リーダーシップ・マネジメントを解説する紙上セミナーの第5回は、「事業を定義することについて」について解説します。

■事業の定義とは何か?

事業の定義とは、自社の事業は何屋さんかを明確に決めることを言います。
事業の定義はとても大切です。
なぜなら自社の戦略・打ち手をすべて変えてしまうからです。

■あなたの事業は何屋さんですが?(事業を定義する)

事業を定義する際に、うちはメーカー、うちはサービス業、うちは、コンサルタントというのは、自社視点でみた一方的な事業の捉え方です。
個の視点では、事業についての明確な打ち手を得る事はできません。
自社が何屋であるべきかという事業の定義は、常に市場・顧客と関連して行う必要があります。

■事業の定義の方法は、顧客から見て自社が何屋であればいいかを問う事。

ドラッカーは言います。
「事業を定義する時の出発点は一つしかない顧客(市場)である。」
「顧客からみて、自社が何屋さんであるべきかを考えなさい。」

つまり、自社の中から考えるのではなく、お客様からみて、いったい自社は何屋さんであるのがふさわしいのかを考えよという事です。

■事業を定義することでトップセールスになった事例

私のお客様に保険のトップセールスの方がいます。
その方の事例で、事業の定義がいかに大切かみてみましょう。

自社からみれば、彼は保険のセールスです。
しかし、顧客から見たときに、保険のセールスと考えるとただの保険売り屋さんになってしまいます。
彼はお客様から見たときに果たしてこれがふさわしいのかを考えました。
そして、次のようなプロセスで事業を再定義しました。

自分の顧客の大半は経営者であり、顧客から見た自分の事業は何か?
顧客に求められる自社の事業の定義は、お客様の経営の永続的繁栄のサポート屋さんである。

現在、彼は、保険営業のみではなく、経営者向きの講演会の実施、人材の紹介、ビジネスマッチングなどお客様である経営者に向け、ただの保険の販売でなくより大きな貢献を行い、絶大な信頼を得ています。

このように自社の事業を定義するということは、自社のその後の事業のやり方まで大きく変えてしまうのです。

是非、お客様(市場)から見て自社が何屋さんであった時に一番活躍できるのかという視点で事業を定義してみて下さい。

■事業の定義は一度だけでなく、常に更新し、再定義し続ける必要がある。

事業の定義についてもう一つポイントがあります
経営者は常に、事業の定義を更新する必要がある。
つまり、事業の再定義を行う必要があるということです。

■事業の再定義をすることで、事業を変え、躍進した馬車のムチ製造業の事例

例えば、昔、馬車の鞭を創っているメーカーがありました。
ところが、蒸気機関車が走りはじめ、市場では馬車がどんどん減っていきます。
このメーカーは鞭を作り続けていたらどうなるでしょうか。
いくら事業を真面目に取り組んでいても、市場が無くなるので、いずれは倒産してしまうでしょう。

ドラッカーは言います。
「事業がうまくいかないのは、経営がまずくなったわけではない
事業の前提としていたものが、以前とは変わってしまったからである。」

馬車の鞭メーカーは、これまではうまくいっていたのに、事業の前提となる市場が変わって
しまったのに、馬車の鞭だけを創り続けているから事業がうまくいかなくなるというのです。

では、この鞭メーカーは事業をどのように、再定義すればよいのでしょうか。

この鞭メーカーは実際にあった事例です。
鞭を創る皮の高度な、なめし技術を用いて、社会に必要なプロダクトを創る会社であると事業を再定義したのです。
そして、エルメスというブランドに進化したのです。

経営者は、変わる市場環境の中で、常に事業を、顧客・市場からみて再定義し続ける必要があるのです。

顧客・市場から見た時に自社の事業は何であるべきか、という観点から自社の事業を再定義してみて下さい。

どのようにして事業を定義するのか?今回の経営・マネジメント・リーダーシップを解説したセミナー動画はこちら

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