← 経営・マネジメント・リーダーシップ・セミナー解説①【リーダーは真摯であれ：ドラッカー】
ドラッカーの理論で経営・リーダーシップ・マネジメントを解説する紙上セミナーの第２回は、「組織のあるべき姿」について解説します。
■マネジメント（経営）とは人のことである。
この言葉は、ドラッカーの最重要な名言です。
この言葉は、マネジメント（経営）とは人の「尊厳」である、つまり経営において最大に重要なのは人の幸せあると解釈することができます。
現代経営の父と呼ばれる。ドラッカーの経営に対する考え方の根底には人の幸せがあります。
なぜドラッカーが現代史上最高の経営学者だと言われるのかお話ししましょう。
ドラッカーが20世紀最大の知恵者、マネジメントの発明者と言われ、他の経営学者・コンサルタントとまったく違うところはドラッカー経営の根本には人がある。
つまり人間が中心にある真の学問だということです。
第一次世界大戦、第二次世界大戦、そしてナチスによるホロコーストを、見てきたドラッカーは、戦争によって現れた独裁リーダー（ドラッカーはカリスマリーダーを大変嫌います。）によって多くの人間が殺されるのを見ました。
人権が踏みにじられ、人の命が奪われる世界、それは経済の失敗、つまり経営の破綻によって引き起こせられることを、ドラッカーは見抜きました。
そして行き着いたところが、マネジメントという学問なのです。
マネジメントは、ちまたに溢れる、経営のハウツー本ではありません。
経営リーダーの志の書、経営・組織・経営者は、いかにあるべきかを説く、実践的かつ本質的な書籍です。
経営・マネジメント・リーダーシップの全ての根本はドラッカーのマネジメントに端を発しているのです。
企業というのは人を幸せにするから意義がある、リーダーは、働く人を活かすからこそ正当性がある・・とドラッカーは言います。
マネジメント（経営）という概念を一言で言うと、リーダーは人を活かしなさい。
社会の中で働く人が幸せになれるようにしなさいと言う意味なのです。
■組織は高い成果を上げなければならない。
そしてその人を活かす社会・組織を継続するために、企業は必ず成果を出さなくてはいけません。
ドラッカーは厳しく成果を追求しますし、実際に、ドラッカー経営を実践すると驚くほど成果が生まれます。
この成果というのは、人・社会を幸せにするために追求すべき、組織が本当に社会に貢献した対価としての利益のことをいっているのです
ドラッカーは、経営者は正しいビジネス、ビジネスでの正義を、真摯に追及し、人間を大切にするマネジメントを行い、社会に成果を上げなさいといっているのです
■人が幸せになる・人が活かされる会社の３つの条件とは？
ドラッカー先生が世界一のアルミメーカーを創った、アルコアのポール・オニールに教えたメモがあります。
それは良い会社の３つの条件というものです
①あなたは会社に敬意をはらわれているか？
②あなたは成長するのに、必要な教育訓練を受けているか？
③あなたが貢献していることを、会社は知っているか？
というものです。
アルコアのオニールはこの教えを忠実に守り、働く人を大切にする、つまり人が活かされる会社をつくり、世界のトップメーカーにまでなりました。
ドラッカー経営を実践されるということは、人間を大切にする会社、人間中心の経営を、行うということです。
■経営の本質とは働く人を活かすことにある。
ドラッカーの学問の根本にあるのは、人間です。
そして人間が中心にある学問とは、まさに学問の本質です。
もう一つ組織づくりに関するドラッカーの言葉です。
組織の目的は、均衡と調和ではなく、人のエネルギーの解放と動員にある。
金太郎あめ型の、無難な人材ではなく、強みから業界ナンバー１になれるような、卓越した人材を創りあげることが、組織の目的だといっているのです。
■経営において人を活かすとは？
そのためには、リーダーはどのように人材を、配置、育成すればいいのでしょうか。
ドラッカーは言います。
人が物事を成し遂げるのは、強みによってのみである。
弱みはいくら強化しても、平凡になることさえ疑わしい。
組織の目的は、メンバーの持つ弱みを中和し、強みを爆発させることにある。
まり、リーダーは働く人の弱みを見ずに、強みを最大限に発揮できるような組織をつくることが、経営の本質だというのです。
働く人の弱みを見る事は、その人の持ち味、つまりその人を殺すことです。
逆に強みを見る事は、その人を最大限に活かすことです。
■人が活かされる組織こそが、組織の真のあるべき姿である。
人を活かす経営こそがマネジメントの本質であり、経営リーダーの一番の責任なのです。
2度の世界大戦、ホロコーストを見たドラッカーのたどり着いた、人が活かされる社会、組織の存在意義なのです。
もう一度、言います。
マネジメント（経営）とは、人の尊厳のことである。経営において最重要なのは人が活かされ、幸せになることである。
ご参考にして頂けましたでしょうか。
私は、このドラッカーの本質に触れた時、深い感動で涙が止まらなくなり、コンサルタントとしての使命は、ドラッカーの人間中心の経営をお話させて頂き、日本中の経営リーダーに実践して頂く事だと天命が降りました。
あなたの経営に、ドラッカーの人間中心の哲学をお役立て頂けましたら幸いです。
今回の経営・マネジメント・リーダーシップを解説したセミナー動画はこちら
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