← 87話:【書籍・7つの原則⑰】マーケティングカンパニーの実践事例①【ドラッカー理論による組織改革・企業研修・人材育成】
■マーケティングカンパニーの実践事例
【事例2】 圧倒的に新商品リリースの早いK社(全社員がマーケター)
マーケティングカンパニーでとして有名なK社は、商品開発の圧倒的スピードを誇ります。
普通のメーカーの倍のスピードで商品を発案、リリースし、他社が参入する前に、圧倒的なブランドイメージを顧客に植えつけ、市場を席捲するのです。
■研究・開発を、顧客・市場からスタートする。
K社の商品開発スタイルを聞いた時に唸りました。
【図】市場調査(出口=ゴール)からスタートするため、商品開発が圧倒的に速くなる。
商品開発は、基礎研究→商品開発→市場調査のプロセスで進めるのが通常です。
K社は全く逆、出口である「市場調査・消費者ニーズの把握」を徹底的に行い、その後、研究・商品開発を同時に進めるのです。【市場調査→研究・商品開発(同時進行)】
消費者ニーズ(マーケット)を第一に、商品開発をするため、ヒット商品を高い確率で生み出すことができるのです。
■店頭の陳列では、売り場でなく、お客様から見た‘買い場’の視点で考える。
売り場作りにも工夫があります。店頭では、お客様が購入しやすい陳列を第一に心掛けます。
K社は、売り場と言わずに、お客様が買う場所として‘買い場’と呼び、お客様目線での商品陳列を徹底しています。
お客様目線で見る事(=マーケティング)が全社員に深く浸透しているのです。
■商品だけなく、‘売れる’商品陳列をセットで、小売店に売り込む営業マン
営業マンは商品単体を小売店に売り込むことはしません。
買場の陳列手法を含め、お店が売れる買場を実現する「販促コンサルタント」としてお店に出向き、商品とセットに、営業するのです。
小売店も売上が上がり、非常に有り難がり、K社を優先して店舗に置いてくれます。
すべて、市場・顧客目線から見ることがビジネスの好循環を生み出しているのです。
今後、生き残る会社は、すべてを市場、顧客からスタートするマーケティングカンパニーです。
全社員の視点を、いかに自社目線を廃して、顧客・市場視点に反転できるか、マーケティング感性を持ってもらえるか、が重要なのです。
事業の勝敗は、競合ではなく、お客様(市場)が判断するのです。
書籍『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』
リーダーシップとは権力ではない。働く人を活かし、成果を上げる「責任」である。経営の中心は『人間の尊厳』にあるべきだと亡きドラッカーは訴えた。現代リーダーのための現場で実践できる『人間中心の経営』『立志の指南書』
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